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2008.01.31

「糸寄席」観劇記

ITOプロジェクト企画公演の糸あやつり人形劇『糸寄席』を吹田メイシアターまで観に行ってきました。
短い作品集で構成されており、いわゆる人形(人の形をしたモノ)とは異なった形の人形が次から次へと現れては去っていき、最初から最後まで途切れることなく不思議で魅力的で画期的で楽しい糸あやつり人形劇の世界が繰り広げられました。

1部 マリオネット・ショートショート
○オープニング
丸いボールに1本の糸をつけただけのモノ。これが人形?これで操れるのか?これで演劇が成立するのか?と誰しもが思うのではないでしょうか。でも複数揃えばそれだけでその動きにグッと引き込まれ、台詞がなくても場内を爆笑の渦に巻き込む演出もできてしまうのです。10人以上で動と静のメリハリをつけながら沢山のボールをシンクロさせつつ様々なフォーメーションで動かすという、シンプルな人形故に困難な操作をサラリとこなしているからこそ観ている側はそれを素直に楽しめます。

○玉36
演者が坂東さんなので多分「たまさぶろう」と読むんでしょうね。オープニングに引き続き玉が主役の人形劇でした。ブラックライトに照らされた手袋が暗闇で鳥のようにはばたく幻想的な前半と、玉から飛び出した人形がコミカルに踊る後半のギャップが面白かったです。自分の手足を人形の一部として利用するというアイディアも効いてました。

○キャンディちゃんの腹話術
飯室さん出遣いの一人3役の人形劇です。人形を腹話術で操り、その人形がまた腹話術でさらに人形を操る、という凝った構成ですが、年季の入った語りと操作はとにかく自然でその神業的力量を感じさせません。ちょうど世間を賑わせているニュース(中国製の餃子ネタ)を早速アドリブで加えて笑いをとるところなんかもさすがです。

○A~HA
三体の人形が激しい音楽に合わせて踊ります。怖いような可愛いような、骸骨のような餓鬼のような、何とも言い難い味わいのある化物人形が秀逸です。自分には作れない人形ですね。

○マジックショー
これも飯室さんの作品です。小さくて割と簡単な作りの手品師が白い布をフリフリと上下させるだけで可笑しいのですが、オチの後のフォローがこれでもか!というぐらいあって爆笑です。

○あちら
SAYOさんの半(?)出遣い一人2役人形劇です。人形には結構な数の糸が複雑についているのですが、そのわりに動きは少なく(これは演出なのでしょうか?)、でもそこはSAYOさんの語りのウマさで人形はそこにじっと存在しているだけで、時に気だるく、時に苛立ち、ついにはキレてしまうのです。

○カタチの夜
立方体16個が生き物のように呼吸し、姿を変える、山田さんの風変わりな人形劇です。どこに糸をつけてどのように動かせば沢山のサイコロが一つに纏まったり、口を広げたり、縦横に伸びたりするのか、その不思議な動きは設計段階で計算されたものなのか、色々と試行錯誤した結果に編み出されたものなのか。色々と気になるところの多い作品でした。

2部 化物の宴
平太郎化物日記』に登場した化物たちが入れ替わり立ち代わり現れる狂気の大宴会が繰り広げられました。怪しげな曲や軽快な曲にのって化物たちが同期し、絡み、出没する様に観客の目は舞台に釘付けです。クライマックスは迫力満点の掛け声と共にオールキャスト総出で舞台から化物が客席に迫り、閉幕後は壮大な交響曲を聴き終えたかのような感動と満足感に満たされていました。山田さんによる振付・演出とのことですが、素晴らしいの一言です。

僭越ながらつらつらと感想を述べて参りましたが、いやはや大満足な内容でした。これがたったの1800円(前売りなら1500円!)とは安過ぎです。今回の『糸寄席』は本日限りの公演なのでもう観られませんが、次回ITOプロジェクト企画は、なんと一度は今後の上演なしとアナウンスされた伝説の人形劇『平太郎化物日記』の再演!だそうです。本年末に静岡で公演(予定)とのことですので、『糸寄席』を見逃した方も、人形劇ファンも、静岡県民も、そうでない人も、皆様お見逃しなく!

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